金属加工の基本

マシニング加工とは

マシニングセンタ(machining center)は、自動工具交換機能をもち、目的に合わせてフライス加工・中ぐり加工・ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができる工作機械。工具マガジンには多数の切削工具を格納し、コンピュータ数値制御(CNC)の指令によって自動的に加工を行う。

旋盤との大きな違いは、旋盤が「ワークを回転させて削る」のに対し、マシニングセンタ(フライス盤)は「刃物を回転させてテーブルに固定してあるワークを削る」点である。NCフライス盤との違いは、ATC(Automatic Tool Changer、工具自動交換装置)の有無である。

立形マシニングセンタ

主軸(スピンドル)が、テーブル(ワーク)に対して、垂直方向にあるものを、立形マシニングセンタという。
多数個取り(一つのテーブル上に複数の同じワークを並べて、一度に加工すること)ができる。
重力によるワーク及び工具の変形が少ない。
切りくず排出性が悪い。

横形マシニングセンタ

主軸が、テーブルに対して、水平方向にあるものを、横形マシニングセンタという。
主軸またはテーブル移動のXYZに加え、テーブルに回転軸が加わる。
同時に一面以上の加工が可能である。
切りくず排出性が良い
重力によって工具に変形が生じることがある。

マシニング加工の段取

加工物をテーブルに直接置き、クランプする方法

テーブル上面の打痕や切粉噛みに注意する。
クランプは若干前下がりになるようにする。
クランプと加工物の間には銅板などを挟み、クランプ痕を付けないように注意する。
正直台等に乗せてクランプする際は、正直台の真上をクランプするようにする。

加工物をバイスに加えて加工する方法

バイスを乗せる前にテーブル上面、バイス底面の打痕や切粉噛みに注意する。
口金の平行を確認する。

工具

フライス、M/Cは工具を回転させて、切削します。
工具の回転フレが加工精度の出来や工具寿命に大きな影響を与えます。

使用時のポイント

1 工具のフレ
  • 主軸テーパーと工具テーパーの汚れに注意
  • 取り付けた工具のフレに注意
  • コレットの汚れ、傷に注意
  • ミーリングチャックは締めすぎても良くない
2 工具の把握力
  • 主軸テーパーと工具テーパーが汚れていれば把握力低下
  • コレットに汚れ、傷があれば把握力低下
3 工具の突き出し
  • 突き出しは可能な限り短く

マシニング加工の切削条件

標準の切削条件は各工具メーカーのカタログを参考にする。
条件が遅くしたからといって、品質や寿命が良くなるわけではない。

主軸回転速度の計算方法

周速

素材材質、チップ材質によって変わるが、一般的には・・・

SS・S45C・・・【粗引き】150 【仕入れ】200

FC・・・・・【粗引き】100 【仕入れ】150

アルミニウム・・【粗引き】200 【仕入れ】400

BC(砲金)

SUS・・【粗引き】80 【仕入れ】120

送り

一分間に進む距離の事を言う。

F【mm/min】送り = 【rpm】主軸回転数 = 【mm】一刃当りの送り量

切り込み量

エンドミル
溝切削
側面切削

フェイスミル